第29回全日本自転車競技選手権大会シクロクロス
大会名
第29回全日本自転車競技選手権大会シクロクロス
開催日
2024年1月15日(日)
結果
男子エリート 織田 聖: 優勝
女子エリート 小林 あか里:優勝
男子ジュニア 野嵜然新:2位
使用機材
フレーム : FELT FX FRD,FX Advanced+
ボトムブラケット :WISH BONEセラミックBB
ホイール : VISION METRON 40 SL DISC
INDUSTRY NINEハブ & FORMOSAカーボンリム
ALEX RIMS RXD2
タイヤ : Vittoria terreno mix
バーテープ :OGKkabuto
サイクルコンピュータ :WAHOO RIVAL
ウェア :ekoi
サングラス :ekoi
ヘルメット :OGK kabuto AERO-R2,IZANAGI
ケミカル :和光ケミカル
日焼け止めローション :Aggressive Design Top Athlete Sun Protect
織田 聖レポート
今年の全日本選手権の会場は宇都宮ろまんちっく村。
2016年に開催された同会場での全日本選手権はU23初年度で2位。
その後も毎年UCIレースが開催され、昨年は土日開催で両日優勝することができた相性のいいコースだ。
コースレイアウトは大きく変わることはなく、いつも通り特設の砂セクションが作られ、3段坂を駆け上がり、森林区間の常設MTBコースをかすめながら、ツルツルキャンバーを超えホームストレートに戻ってくるというレイアウト。
森林区間の取り回しが少し変わっており前日試走1周目で迷子になったため、夏はMTBをメインに活動している選手を見つけてラインを真似する。やはり見えてるラインが違うんだろうなと痛感したが、一度ラインが分かればあとはスピードを上げて繰り返すのみ。
前日試走で自分のキャパぎりぎりを探った。
他のセクションは基本的に同じだったのと、前日試走の際に雪が舞っていたのでまた当日コンディションが変わるだろうと思い軽めに流して終わりにした。
当日はとても冷え込んだせいか、思った以上にキャンバーセクションの溶けが遅くU23カテゴリーの時も凍っており、試走始まりから少しずつ溶け始めたもののエリートのレース中もドロドロになる事はなく表面が少し溶けたぐらいだった。
コース確認の際に乗車で行こうとトライしたが、うまく走れなかったので降りる選択をした。
特別な緊張感の中スタートグリットへ。
すごく緊張はするものの、ヨーロッパでコテンパンにやられてきたのでいつもより気が楽。
スタートでクリートキャッチをミスしてしまい出遅れてしまったが、慌てずに前に出れるチャンスを待つ。
スタートループを終え森林区間で5番手に上がる。
スタートで先頭に立った沢田選手は軽快に飛ばすので1周目から速くミスしたら戻れないなと思いながら丁寧にこなし1周目完了時には2番手に。
沢田選手と竹内選手と私の3人パックが形成された。
キャンバーセクションで沢田選手がチェーントラブルしているのを確認したのですかさずペースを上げ独走に持ち込む。
追走を躊躇うようなタイム差をつけたかったので3,4,5周目は全開で攻め一気に差を広げる。
1分以上離れたことを確認してからはミスしないように踏むところは踏んでを意識しながら走り無事に2連覇することができた。
女子エリートの小林選手と共にチームで男女コンプリートすることができとても嬉しい。
渡辺先生をはじめスポンサー様、サプライヤー様、ありがとうございます。
また1年間ナショナルチャンピオンジャージを着用することができます。
引き続きよろしくお願いいたします。
小林 あか里レポート
2024年最初の全日本選手権。そして、2023-2024シーズンでは、ロード、マウンテンバイクに続き、最後の全日本選手権となった。
シーズンでの目標であった3冠。この全日本を取れば達成となる。
しかし、昨年はそのことにとらわれすぎた結果、悔しい思いをした。今回は、自分と戦うことを最大の目標として、レースに臨んだ。
スタートはホールショットは取れなかったものの、落ち着いてスタートすることができた。アスファルト区間から芝区間に入り、テクニカルゾーン前では2位まで上がる。スタートループを終え、サンドセクションへ入った。そこからは、三段坂と呼ばれる激坂登りや、林間区間があったため先頭で進入し、後続との差をつけようと試みる。
サンドセクションではトップに躍り出れたものの、サンドセクションを終えると再び2番手になる。テールトゥーノーズで林間区間を終える。そこからキャンバーセクションが続く芝区間へ。しかし、多くのライダーが走り、掘り起こされた芝区間はハンドルがとられやすかった。案の定、ハンドルを取られ、転倒してしまう。すぐにリカバリーをしたが、先頭と少し差がつく。ただ、転びやすい状況はどの選手にもイコールコンディションであった。先頭の選手も転倒していて、レースは再び振り出しに戻された。
フラット区間は全力で踏み、テクニカルセクションは脚を温存しながら、できる限り一定のペースで走る。それを終始意識して走り続ける。
コース後半の初めにある、土のキャンバーセクションは氷の上のように滑った。なかなかリズムが掴めず、前半で後続とつけた10秒以上の差を、その区間で一気に5秒まで縮められてしまう。
そこから、キャンバーのアップダウン、シケイン、そしてジープ道に入っていく。苦手なシケインもこの日のために、何回も練習した。そして、ジープ道ではエアロポジションを取り、ロード練習を意識して全力で踏み込む。
20秒から5秒の差を行き来しながら、先頭を走り続けた。
何回か林間区間やキャンバーセクションで転倒する場面もあったが、「絶対に勝つ」これだけを言い聞かせて、落ち着いて全て対処できていたと思う。
シクロクロスでは初めてのタイトル。そして、3冠達成をすることができた。
今シーズンも後半は、精神的に辛い時が続いた。シクロクロスシーズンもなかなか勝てず、苦しかった。
それでも、常に支えてくださったチーム関係者の皆さんをはじめ、監督、GM、チーム員のみんな、そしていつも応援してくださる方々。本当にありがとうございます。
これからも、もっと強くなるためにトレーニングに励みます。
応援ありがとうございました。
野嵜 然新レポート
UCIカテゴリーとして走る最初の全日本。
自分個人として待ち望んだリベンジの日。
去年、ジャージを失って終わってしまった悔しさを胸にこの日がやってきた。
だが、自分はいつも重要レースになると気負いすぎて力が発揮できないまま、終わってしまうことが続いていたので多少不安はあった。
コースは短い砂区間〜3段坂と言われる急な登り返しのパワーが必要なセクションから始まり、林間のシングルトラックから高速なキャンバーの登り返し、長いストレートを終えてコース終盤には大きなキャンバーとこのコース1番と言って良いほど長いストレートがあるバランスの良いコース。
金曜日から会場入りしてバイクのセッティングなど入念に準備を進めた。
レース当日の朝も気温が低く、朝試走の時点でも路面は凍っていてかなりハイスピードなレースになると予想した。
スタートのクリートキャッチも上手くいき、4番手で第一コーナーをクリア。砂に入る手前までに2番手まで上げ成田選手の後ろにつく。山の区間に入り、登り返しで前との差を詰め過ぎてしまい、自分がミスして離されるが前もその先のセクションでミスしていたので追いつく。やはりストレートは成田選手の方が圧倒的に速く、最初からアタックをかけてくる。ここにギリギリでなんとか対応していくが、自分の方が余裕がない。2周目の登りで差をあけられ詰めることが出来ずに半周くらい進んでしまっていたがシケイン手前のキャンバーで成田選手がミスしてくれた為、再び追いつく。少し前に出てマイペースに走り体力の減りを少なくしたかったが、すぐに被され主導権を握られたままレースが進んで行った。
4周目の砂エリア+3段坂で成田選手に差をつけられ再び追いつこうとしたが結局それが決定的な差になってしまった。
そのあとも集中力は切らさず全開で前を追ったが、最終的に51秒差をつけられ、2位でゴールした。
彼の方がフィジカルが強いのは分かっていた事だったし、対策もしてきたつもりではあった。それでも今回は完敗だった。
自分的にはミスもなく、最後まで全力で走る事が出来たが、やはり負けると悔しい。
そして自分が優勝すればチームとして出走した全員が全日本ジャージを獲得できたと言うのに初手で台無しにしてしまった。
沢山の方々に応援していただいたのにも関わらず、またしても結果として返すことが出来ず、申し訳ないです。
この悔しさを忘れずに強くなります。
サポートしていただいた渡辺監督、佐藤GMチームの皆様、スポンサー様ありがとうございました。
そして今年の全日本も沢山の応援が力になりました。ありがとうございました。