第89回全日本選手権大会 ロードレース
大会名
第89回全日本選手権大会 ロードレース
開催日
2021年10月23日(土)〜24日(日)
結果
ME:入部 正太朗 9位
MU23:香山 飛龍 17位,津石 康平 36位,中島 渉 42位
MM50〜59 西谷 雅史 2位
WM 唐見 実世子 優勝
使用機材等
フレーム :FELT FR1 DISC,AR FRD DISC,FR FRD DISC
タイヤ・チューブ :Vittoria Corsa Graphene2.0
サイクルメーター :WAHOO BOLT,ROAM
サイクリングウェア :RAPHA
アフターレースウェア :RAPHA
ヘルメット :OGK IZANAGI,AERO CR-1 EV
シューズ :NORTHWAVE EXTREME,EXTREME PRO
グローブ :ROECKL
ケミカル :和光ケミカル
サプリメント :グリコ パワープロダクション
日焼け止めローション :Aggressive Design Top Athlete Sun Protect
クレンジングオイル :Aggressive Design Waterproof Cleansing Oil
バイクスタンド :リッカルアルミサイクルスタンド
入部 正太朗レポート
今シーズン最大の目標であった全日本選手権が終わった。
去年は中止になってしまったが今年はチャレンジできる幸せを噛み締めながらタイトル防衛を目指した。やはり全日本選手権はワクワクした。
コースはおなじみの広島森林公園を15周の184.5kmで行われた。
今回、弱虫ペダルサイクリングチームとして男子エリートカテゴリーの出走は僕だけだった。単騎参戦という形に対して色々な人から言葉を頂いた。
確かに出走は1人だったかもしれない。
しかし僕は決して1人だとは思わなかった。
普段からサポートしてくれるスタッフの方々、応援してくれる方々、そして普段から一緒に練習をして共に切磋琢磨してきた仲間達。僕の心には常にみんながいてくれた。チームで戦っている喜びと感謝が溢れていた。
だから、僕は今日も全力でチャレンジして勝ちたいと思った。
レースは序盤からシマノ風間選手が単独で逃げて愛三工業がコントロールという形で中盤までかなり落ちついた展開で進んだ。
そして中盤あたりで風間選手が吸収されてレースは振り出しに戻った。各チームの選手達がお互いを探り合うかのようなアタック合戦が続いたままレースは終盤に向かった。
そしてラスト4周前後から有力選手達も動き始めレースは活性化していった。
ラスト3周を切ると集団も人数が減ってきて、その周の三段坂はかなり良いペースまで上がった。
そして三段坂の最後の3段目で集団は縦一列に伸びていたので、僕はここでチャレンジしようと思ってアタックした。
アタックした段階では小集団を形成して抜け出せれば良いと思っていたが、結果的には1人で飛び出していて集団ともタイムがギャップがすぐに10秒程に開いたので、ペースを維持しながら独走逃げ切りチャレンジを開始した。
この時点で残り距離は約27km程。独走で逃げ切るには簡単な状況ではないが、ペダルを踏み続けた。
集団とのタイムギャップは20秒前後を推移しながら進む。
14周目は単独で走り続けてラップタイムは18分17秒。ゴールまでの距離を考えてもこの時の力ではこれ以上ラップをあげれるような感覚ではなかった。
そしてラスト1周に単独のまま突入したが、ラスト7km前後で後方集団に吸収されてしまった。
しかし諦めるつもりはない。
人数を減らしながら進んでいく先頭集団になんとか食らいつきながら最後の三段坂へ。
中根選手が3段目で加速したので、僕も反応して前へ出て踏んだ。しかし僕の余力的にもキレはなくそのまま平坦区間へ。
先頭集団には草場選手がいて、僕はフレッシュな状態でも彼のスプリントには勝てない。
なので、勝つ為には最後まであがくしかない。
ラスト2kmあたりで抜け出しのアタックにチャレンジするが、さすがに難しかった。
そのまま9名のスプリントになったが力尽きて9位でフィニッシュ。
優勝は草場選手!凄いスプリントだった!
草場!!おめでとう!!
こうしてレースを終えた。
個人的にやれる事はやって力は出し切った。
最高に楽しかった。
もちろん悔しさはあるが、あれ以上できる事はなかった。
この想いは次の全日本選手権にぶつけたいと思う。
スポンサーの皆様、大会関係者の皆様、応援してくださった皆様、スタッフの方々、ライバル選手達、チームメイトのみんな、今シーズンもありがとうございました。
「愛と感謝とリスペクト」
それに尽きます。
本当にありがとうございました!
香山 飛龍レポート
目標
ITTと同じく優勝。出走人数が比較的多く、短いレースなので先頭付近で展開する事を前提に考えた。有力選手は最初からどんどん行くと思うので後手を踏まないようにする事が最初のミッション。終盤に向けて展開を考えなければならず、集団スプリントでは勝ち目がない事は理解していた。
展開
スタートからアタックが続く、予想通りの展開だった。中でも、松田選手、平井選手(EQA)、山本選手(BS)、留目選手(中央)は特に見れるように位置付けて動いていく。最初の一時間はひたすら逃げに向けた動きが続き。結果的に6~10人ほどの先頭ではなく1~3人を泳がせる形となった。
こういった組織力が発動しないレースは基本的に不安定で、前との詰め方も一定ではない。アタックがかかりペースが上がるので、吸収するだけでも労力を使う結果となった。
逃げのメンバーがスイッチする事はあったが、基本的には見れる範囲にいたので大きな焦りはなかった。終盤に向けても有力候補勢のアタックには瞬時に反応し、逃すことは一回も無かった。そのまま踏むのに協力して差を生みたかったが、結局それはかなわず。
終盤に向かうにつれてアタックは続くものの、決定的にはならない、まさしくここからが勝負という場面でまさかの右脇腹の痛みが再発。5月以降まったく色を出さなかった症状がここで自分を更に追い込んだ。脚はきついし、身体も痛い。無理をしている恐怖心もあるものの、シーズン最後なので辞める訳も無く。
幸いあらゆる手段を使って休めば痛みは軽くなったので、勝負どころの登りの為にも下りは完全にリカバリータイムに。こうして痛いながらも登りは引き続き先頭で対応することが出来た。
最終周回では逃げを全てキャッチしており、一つの集団で勝負が始まることに。しかし、その瞬間兒島選手がアタックし独走に入る。前の週によるダメージも考慮していた部分もあるので、反応に躊躇いアウト。ここからはミスを続けてしまい、三段坂の山本含む数人ものがしてしまう。
最後は逃げに対して集団のままスプリントが始まり、17位でフィニッシュした。
考察
端的にレースをまとめると、アタックが続くが決定打にはならず、最終周で判断を誤った(脚が無かった)レースとなった。
1人で独走に出た兒島選手は本当に強かったし、勇気があったと思う。僕はその一瞬で悩んでしまい、レースが終わってしまった。身体は痛むし脚が無かったことも事実だが、それ以上にチャンスを物に出来なかったのは勇気と自信が無かった。
負けてしまった事実の内容をまとめると、まだまだ展開を作る経験値が足りてない事(チャレンジしなければ身に付かない)、単純に力不足だった事(焦らず着実に)、フィジカル不足だった事(自分特有の故障)しかないと思う。
力は出し惜しみせず、諦めずに挑んだが、結果を作るには程遠い順位でのフィニッシュとなってしまった。来年はたくさんの反省を持って、本気で勝ちに行きたい。その為に今できる事を着実に進めていこうと思う。まずは故障を改善方向へ持っていく事から。しっかり休もうと思う。
最後に
今回の遠征は特にチームの協力、佐藤GMのサポートを感じて挑むことが出来ました。本当にありがとうございました。結果に繋げられなかったことが個人的に物凄く悔しい想いです。しかし刺激をたくさん受け、強くなりたいという想いが加速する遠征になりました。
重なりますが、今ロードシーズンはこれで最後になりますが、来年は良い結果を迎えらえるように最大限の努力を続けていきます。まだまだ未熟な私ですが、これからも宜しくお願い致します。
中島 渉レポート
初めての全日本選手権ロードレース大会。
この1年間の集大成とも言える大会でロードシーズンを終えることとなる。正直2週間前のワクチンの影響で本調子では全くなかったが、かすみがうらロードレースからの1週間自分の中でできる限りの練習と調整を行った。それでもやはり、キレのあるような走りが出来ない状態で望むことになった。
12.3kmのコースを10周回の123kmで行われ、全日本にしては距離も短かった為順位に絡める可能性が僅かだがあると思った。JPTとは違い今回は誰もがエースと思いながら走るし、優勝を狙うレース。その為、強力な逃げが出来たら勝ち逃げになると考え、前め前めでの展開を考えた。
予想通りスタートからハイペースな展開が続き、少人数の逃げが何回かあるもの決定的な逃げは決まらなかった。集団の前方で何回かアタックにも反応したり、少数の逃げに乗るもすぐに吸収され無駄足を使ってしまった。6周回目でBSの河野選手が単独逃げ1分弱の差が開くも2周程で吸収され、振り出しに戻る。レースも終盤になり、有力選手も動きが始め集団もかなり人数を減らしていた。調子良く動いていた体が残り2周で一気に疲労感を感じ、体が重くなった。残り1周手前の3段坂で集団からドロップしてしまった。勝負がこれからという場面で千切れてしまったことがとても悔しい。そのまま単独でラスト1周を走りゴールとなった。順位、走りともに全く納得の行かない結果となってしまった。ですがまだ、シクロクロス、マウンテンバイクと全日本選手権が残っているので気持ちを切りかえて臨みたいと思います。
また今シーズン、たくさんの方にサポート・応援して頂き本当に有難うございました。
津石 康平レポート
今回のレースは広島中央森林公園12.3kmコースを10 周する123.0kmで行われた。
チームとしては基本的にチーム単位ではなく、個人でレースを展開していくということになった。
集団のペースは落ち着かないと予想していたので、インターバルに苦手な僕は序盤から逃げに乗る事を考えた。
しかしレース序盤では逃げにチャレンジしたが、乗りたかった逃げに乗ることは出来なかった。
また5周目の下りでミスをしてしまった事で集団から遅れてしまい、コース半周ほどかけて集団まで戻ることとなった。ここでかなり消耗してしまい脚が攣るような感覚が出てきた。
そのため3周ほどはとにかく足を休めることを意識し誤魔化しながら、まず集団に残ることを考えた。
残り2周を切ったところで脚が回復してきた。またこの辺りから逃げができた時の集団の反応が鈍くなってきていて、ここで複数人の逃げが決まれば逃げ切りの可能性が有ると直感で感じた。また高強度で踏んでしまうと脚が攣ってしまうと感じたので、自分が勝つためには逃げを狙うしかないと考えた。
そしてタイミング良く京都産業大学の小出選手が集団からアタックを仕掛けて行ったので反応した。しかしこの逃げはすぐに吸収された。だがどうしても逃げを狙いたかった僕は再度アタックを仕掛け誰か反応してくれないかを探った。しかし誰にも反応して貰えなかった為、単独で勝負を仕掛けることにした。その後自分がなんとかゴールまで踏み抜けると感じるペースで淡々と踏み続けた。この時のペースは感覚的にはかなり良く、タイム差は最大30秒程まで広がった。
しかし展望台後の下り区間で集団に捕まってしまった。
その後も何度かアタックに反応してなんとか逃げようと動いたが2度目は中々決まらなかった。
そして残り1周を切ってから間もなくしてBridgestoneの兒島選手が単独でアタックをした。その時僕は集団前方に位置して居たが、他の選手に囲まれて反応にワンテンポ遅れてしまった。しかしすぐに全力で追走すれば絶対に追いつかない距離感ではなかった。しかし僕はこの大事な局面で弱気になってしまい追走する事が出来なかった。そしてこの逃げが勝ち逃げとなり兒島選手が優勝となった。
僕はこれまでレースで他の選手に対して手も足も出ないという感覚でした。そのためどうしたらレースで勝てたのかという事を考えることが難しかったです。しかし今回のレースでは初めてあの時こうしてたら勝てたかもしれないというビジョンが見えました。今回は36位という不甲斐ない結果となってしまいました。しかし後々逃げで勝てる選手になりたいと考えている僕にとっては、集団に残って脚を溜めて最後だけスプリントするレースよりも得られるものは多かったと思います。
これで今シーズンは終了しましたが、この経験を来シーズンでしっかりと生かせるように冬のオフトレを頑張ります!
今回のレースもたくさんのサポートと応援ありがとうございました!
西谷 雅史レポート
初開催のマスターズクラスにエントリー。
このクラスのレース展開が予想がつき難く手探り状態のままスタート。
2人の選手がスタートから飛び出したのでそのまま先頭を牽く形で下り始める。
程なくして2人を吸収してそのまま下る。
ある程度人数を絞るためにハイペースで下り切る。
ここで14名ほどまで人数を減らす事ができた。
先頭交代を要求するも代わってくれる人はほぼ居なくそのまま先頭で上りに入る。
アタックはせずにハイペースで上る。
ここでは人数は減らす事が出来なかった。
やはりアクションを起こさなければ何も展開は起こせそうも無い。
ホームストレートでペースを上げるも集団に変化は無く下りへ。
次の上りで下の方からアタック。
集団がバラバラになっているのを確認して上り切りまで踏み続ける。
先頭交代は無いのでしんどい展開。
ここで4人に絞る。
1人の選手は先頭交代をしないので3人で集団を回す。
次の上りでまたアタックして1人脱落して3人。
ホームまでローテをするが今ひとつスピードがキープ出来ない。
そして脱落したはずの1人がまた合流してしまう。
次の上りは下からアタックして2人脱落。
ついに2人の勝負に。
がしかしローテを回すと後ろとのタイム差が縮まってしまう。
本当は緩急を付けてアタックしたいのですが緩めると後ろが迫ってくる。
前を強く牽くとアタックし難い悩ましい状況。
そのまま上りも先頭のまま突入。
先頭を牽きながらアタックするという絶望的な状況。
それでも可能性を信じてアタック。
何も状況は変わらずそのままゴール勝負へ。
足も残ってなく、苦手過ぎるスプリントで負けて2位でした。
まだ出来ることはあったのでは無いかと反省とそして悔しさが残るレースとなりました。
今年一年間の応援やサポートありがとうございました。
唐見 実世子レポート
全日本の事を考えるだけで緊張感が走ってしまう。一年の中で一番大事と言っても過言ではなく、他のレースは全部DNFでもいいから全日本だけは勝たせてください、と神様にお願いするくらい大事なレース。
しかし体調が安定しなかった今シーズンを振り返り、今年は新設されたマスターズカテゴリーへの出場を決めた。
そうなってくると話は少し変わってきて、おそらく勝てるであろうという前評判の中、コンディションを合わせて、体調を整え、心の準備をして通常とは違うレース展開をシュミレーションした。
マスターズカテゴリーはレース前から三味線が鳴り響く。他のカテゴリーとは人生経験が違う。
レースは50代男子、60代男子、女子の混走で、個々の選手のレベルの差が激しい事が予想されたので、前々でレースを行おうと考えてスタート。鍵を握るであろう選手はチームメイトの西谷選手、そしてベルギーでプロとして活躍されていた三船選手と予想された。前から20番手以内をキープして、1周目の正広橋までなんとかたどり着く。先頭を西谷選手を中心にぐいぐいと良いペースで引いているのが見えて、そこで少し足が疲れている感じがする。3連トンネルのところであっという間に50代のグループ15名位?においていかれてしまい、そこからは6名位の集団で周回を重ねることになった。
50代の選手4名位、60代のキング三浦さん、私、といったメンバーだった。
このグループは先頭に追いつきたいであろう50代の選手とこの集団でゴールさえしてしまえば優勝できる三浦さんと私で構成されているので、千切れてからしばらくは50代の選手がメインにローテーションする形だったが、トップとの差がどんどんと開いていった。レース後半は三浦さんがペースを作ってそれをできるだけ守るように走った。ラスト周回に千切れグループ数人をキャッチして、その後少し動きがありつつそのままゴール勝負へ。
私は簡単に千切られてしまい、スプリント勝負には参加できなかったが、マスターズカテゴリーのナショナルチャンピオンになる事ができた。
まずは一枚目のジャージを獲得することができたので、コンディションを落とさないように次のターゲットを狙いにいきたいと思います。
たくさんの応援ありがとうございました。