弱虫ペダルサイクリングチーム

レースレポート

全日本自転車競技選手権大会シクロクロス

大会名

全日本自転車競技選手権大会シクロクロス

開催日

2021年12月11日(土)〜12日(日)

結果

男子エリート 織田 聖:2位

男子U23 中島 渉:9位,香山 飛龍: 10位

女子ジュニア 中島 瞳:優勝

女子マスターズ 唐見 実世子:優勝

使用機材

フレーム        : FELT FX Advanced+

ボトムブラケット   : WISH BONEセラミックBB

ホイール      : INDUSTRY NINEハブ & FORMOSAカーボンリム,ALEX RIMS RXD2

タイヤ          : Vittoria   織田 聖: terreno mix,香山 飛龍: terreno mix,中島 渉:前輪terreno mix,後輪 terreno dry

             中島 瞳:前 terreno mix,後 terreno dry,唐見 実世子:Terreno Dry

バーテープ : OGK

サイクルコンピュータ :WAHOO RIVAL

ウェア       :RAPHA

ヘルメット     :OGK kabuto R1

日焼け止めローション  :Aggressive Design Top Athlete Sun Protect 

クレンジングオイル    :Aggressive Design Waterproof Cleansing Oil

織田 聖レポート

例年にはない都心からもアクセスが良く駅近な全日本選手権。

チーム拠点のつくば市のお隣、土浦市で開催された今回のレース。

チームとしても個人としても絶対に勝ちたいレースだった。

緊張しているながらもしっかりと夜は寝ることができ、レースに臨むことができた。

コースはフルフラットだったがコースは全体的に狭く、ハイスピードで抜けることができるコーナーはほとんどない、ストップアンドゴーの多いコース。

最近のレースではパワーで押し切っていたが、久しぶりにテクニカルなコースだった。

スタートから沢田選手、小坂選手、竹之内選手と自分の4人になり、誰かがペースアップしてもみんな着いてけるというミスできないレースになった。

3周目に前チャンピオンの沢田選手がメカトラで脱落。そのタイミングで自分が動き、小坂選手と2人に。

その後自分がアタックして1人で抜け出し、先頭4人がバラバラになった。

本来ならばここからペースアップをして差をつけていきたいところだが踏み続ける場所がなく差はほとんど開かない。

消耗するだけ消耗し太ももが痺れ始めた。

全く踏めなくなり2位を走っていた小坂選手に追いつかれ、その後置いていかれ。

最後のテクニカルセクションで脚をついた時に両脚攣ってしまい3位の竹之内選手にも喰われそうになったが耐え切って2位でゴール。

レース後は全く動けなくなるほど厳しいレースだった。

小坂選手と竹之内選手は本当に経験値が高く、コンディショニングが上手いなと身をもって感じた。

対して自分はまだ甘く、脚を攣ってしまうという準備不足からくるミスをしてしまった。

レース前、とてもコンディションがいいと感じていただけに本当に悔しい。

また1年しっかりと競技に取り組み、来年こそは取れるように準備していきたい。

たくさんの応援、サポートありがとうございました。

香山 飛龍レポート

全日本cx 

目標

5位以内。メンバーは自分よりも経験値の多い選手が揃っていると感じたが、踏む区間が多いので目標達成のチャンスはあるように感じた。

また、来年のシーズンに向けて怪我だけはしないように集中して走り切る事も自分にとっては大事だった。

展開

スタートでは大きな失敗は無かったものの順位を落としながらのスタートとなってしまった。そのまま12番前後で走っていると、一番最初の浅いマッドセクションで落車が発生。比較的うまく回避する事は出来たが、前とのギャップが開いてしまう。

そのまま詰めるように、踏めるところは全力で踏んで前を追う。先頭パックは見えているので集中してプッシュしたが、追い付くには至らない。踏める箇所では自分にアドバンテージがあっても、やはり先頭の選手とはコーナー毎に確実な差が蓄積されていった。

序盤はこの動きによって少しバて、失速は無いもののペースが限界値までは上がらない。前との差も変わらず、ミスをしないように集中して走る事に専念した。キャンバーセクションも2回トライしたが、リスクに対して接戦以外では大きなアドバンテージはないと判断したので降車を選択する事が多かった。

残り3周からは確実にエンジンが復活した感覚があり、踏めるところでのギアは一段階上げることが出来た。前から降ってきた中村選手(中央大)と競る場面もあったが、彼は全日本トラックにも出場している疲労もあり、踏む区間では自分に有利に働いた。

そこからは踏める区間ではアタックするように全開で踏んで行く。コーナーは遅くても確実に前は近づいている。しかし、残り2周、残り1周と確実にラップを消費し追いつくことは無く10位でのフィニッシュとなった。

考察など

出せる力は出したが、今回は反省点も多い。まず最初の動きは良くなく、この競技では重要度としてスタートの占める割合が大きく、番手を下げてしまったのは良くなかった。しっかり位置をキープor抜いてスタートしていれば、ある意味もっと楽に速く走れていただろう。

またロード選手としてのくくりとして津田選手(ccf)を追従するべき、しなければいけなかったというのは個人的な感想だ。負けたのは素直に悔しい。

そして今回は自分としてもコーナー毎のクオリティが低かったと振り返る。最後で怪我をしたくないという気持ちや、全日本の緊張等もあるとは思うが、もっと自信を持って走るべきだった。自分が持っているスキル以上の事は出来ないのは理解しているものの、もっといけただろうという感触が一日経ってもイマイチ抜けない。

もっとcx競技として強くなりたいという気持ちが、最初よりも確実に芽生えているからだと振り返る。

今年は急遽のcx参戦とはなりましたが、本当にありがとうございました。手厚いサポートのお陰様で集中してスキルアップに挑戦する事が出来ました。来ロードシーズンでは今年よりも進化した走りが出来ると自負しておりますので、引き続き宜しくお願い致します。

中島 渉レポート

全日本XCEの試走で落車して手首を骨折してから約1ヶ月。手術も行い、できる限りの全力を尽くしてきた。

リハビリも行い、振動の痛みも減り不安要素としてはシケインで自転車を持った時の痛みが出ないかが不安だった。

前日の試走は久しぶりの本格的レースだったため、コースもいつもより多く走り、細かい路面状況などもいつも以上に確認した。また、朝霜の影響で午前中はウェットの部分もあるが全体的にドライでロード向きのパワーコース。

レース展開

スタートでの落車が前のレースでも多くあった。落車を控えたいためしっかりとホールショットをとり、先頭でダートセクションに進入していく。もちろん、フィジカルが下がっているかもしれないが、勝つつもりでレースに臨んだ。そのため前半からパックの人数を減らしていくため、ハイスピードに展開していくことにした。半周ほどすぎて7人ほどのパックになるも1周半程で心拍がきつくなり、ドロップしてしまう。とりあえず単独にならないように前の集団に乗ることを意識した。3周程で経過して6位パックくらいでレースを展開していくもなかなか心拍が戻って来なくきつい展開となってしまった。残り4周くらいから大分落ち着き少しずつ踏めるようになり前を追っていく。2人パックで周回を重ねていくも前には追い付かずそのままゴールとなった。結果は9位と納得行くものとはならなかった。

ですが、この1ヶ月で全日本シクロクロスを完走するまで回復する事ができ本当に良かったです。そしてたくさんの方に支えられ、ここまで来ることができました。本当にありがとうございました。

来年こそは頂点を取れるよう本気で臨みたいと思います!今シーズンサポートをして頂きありがとうございました!

中島 瞳レポート

今シーズンL1としてJCXを走ってきました。

上手くいった日もあれば、上手くいかず悩んだ日もありました。野辺山が終わったその日から毎日1時間半のトレーニングを積んできました。

毎年、渡部選手に負けてしまい1位になれなかったり、最終周回で転倒してしまったり。今回は、ジュニアクラス最後ということもありこのチャンスを逃す訳には行きませんでした。

試走では、兄と走りコーナーのラインを何度も確認し、いつも以上に試走しました。

当日の朝も何度か、キャンバーを確かめ走れるラインを探りましたが、上手くいかず結局途中まで勢いであがることにしました。

1時間前からアップを始め、足を回しながら唐見さん達と話していた時に、緊張とミスをしてしまったら怖いという不安な気持ちが込上がり涙しましたが、そこで気持ちが吹っ切れた部分もあり、切り替えることが出来ました。

スタートは何とかホールショット出来ました。

アップしている際に、「後ろに着くより前に出た方が良い」という唐見さんのアドバイスを胸にテクニカルな場所は前に前にと行きました。

女子ジュニアは3人の戦いでしたが、常にサイドバイサイドの状態で常に気の緩まないレースとなりました。

所々でアタックをかけましたが、大きな差にならず最終周回まで3人の三つ巴状態。

後半のちょっとした泥のセクションで1人の選手がミスをし、2人となりました。

相手選手の方が、ストレートが速いので仕掛けられても反応できるよう気を張りながら走りました。やはり、ホームストレートまで、自分が前でストレートに出ました。

先にスプリントを掛け始め、横に並ばれてしまいましたが、ほんの数センチの差で勝つことできました!

初めてのナショナルチャンピオンになることができ、とても嬉しかったです。

チームの皆様のサポートがあってのこの結果で、自分1人では獲ることができなかったです。本当にありがとうございました。

ジュニア1位に相応する走りを、L1でも走れるようこれからまた練習に励みます!!

唐見 実世子レポート

泣いても笑ってもこれが2021年最後のレース。長く感じた1年だったが、この30分で全てが終わる。

会場はご近所さんの土浦りんりんポートだったので、前日にコースの大まかなレイアウトを知るために見に行くことで不安材料を取り除いた。

 当日は開門と共に会場入りして試走をした。走り出した時は霜が降りていて滑って走りにくかったので、タイヤのチョイスは通常通りTERRENO MIX一択だと思った。しかし気温が上がってきて全体的に多少ウェットにはなっていたが、コーナリングも最初に比べてスムーズになってきたので、直線を速く走る事を優先してTERRENO DRYをチョイスして空気圧もいつもより高めの1.5barにしてもらった。

 ここ数ヶ月は重要なレースが多く、移動も大変な事もあって練習量は減っていたものの、夏から秋にかけて上がっていた数値も安定していたので、このコースで負ける訳はないと考えていたので、リラックスしてスタートラインに立った。

 今回はクリートキャッチが大成功して、ホールショットを決める事ができて、側から見たらすんなりとゴールまでいったように見えたかもしれないが、いざレーススピードで走って見ると、コーナリングが難しく、スピードに乗せる事がとても難しいコースだった。得意なコースかと思われたが、実際レースを走ってみると、苦手な要素がたくさんあった。タイヤのチョイスはフィジカルを生かすという面ではTERRENO DRYで正解だった。実際オフロード、オンロードに関係なく直線は軽くてすごく伸びた。しかし全日本という大舞台で無難にリザルトを残すという面で考えるとテクニック面に難がある私の場合はTERRENO MIXが正解だったかもしれない。今までTERRENO MIX一択でレースをしてきたのは自分にとって無難にオールラウンドに安心感をもって走れるからであって、今回のレースは無難に勝つ事が最大のミッションだったとしたら、MIXだったのかな、と。意外とちょこまかとしたコーナーが多かったり、凸凹とした芝のセクションが長く、それらでタイムロスを生んでしまうというコース特性を読む力がなかった。

 ホールショットをとってからは、ゴールまで突き進むのみだと思って、コーナーごとにビビってオーバーランしながら、ただただ踏み続けた。ラスト2周を切ったところで、脱チェン。レース中の脱チェンは初めての経験かもしれない。少々手こずって、2位の選手に15秒差まで詰められてしまう。

 混走の60代の選手に丁寧に走れ!とアドバイスをもらう。確かにとても雑な走りをしていた事に気付かされ、そこからは後ろとの差を見ながら、コーナリングも自分の力量内で綺麗に走るよう、得意なセクションは頑張るように心がけた。その方がメリハリがあって楽に走る事ができた。

 結果としては、スタートからゴールまで誰にも抜かれる事がなくソロで走った。レースを終えてから自分の走りを画像や映像でチェックさせてもらった限り、自分で思っていた以上に踏む場所ではしっかり踏めて、もがく場所ではしっかりもがけていたので、良い状態でレースができていたのだと思った。

 今回のレースに限らず、プレッシャーのかかった10月以降のレースも持てる力を全て出しきる事ができて、それが4種目での全日本タイトルという最高の結果となって2021年をで終える事ができた。

 メンタル的に辛い状況だった時も肉体的に限界の時もいつも支えてもらえる環境があってこその4枚のジャージでした。いつもありがとうございます。この環境に感謝しつつ、新たな目標に向けて準備していきたいと思います。

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