弱虫ペダルサイクリングチーム

レースレポート

2018 Panorama Guizhou international Women‘s Road Cycling Race

大会名

2018 Panorama Guizhou international Women‘s Road Cycling Race

開催日

2018年5月6日(日)~10日(木)

結果

唐見 実世子:第1ステージ 24位,第2ステージ ,24位,第3ステージ37 位,第4ステージ29位,第5ステージ52位
個人総合43 位
団体総合4位,アジア団体総合1位

使用機材等

フレーム     :FELT AR FRD
メインコンポーネント  :Campagnolo RECORD EPS
ホイール         :Campagnolo BORA ULTRA35,BORA ULTRA50
タイヤ・チューブ     :Panaracer RACE Evo3 Series
クランクセット       :ROTOR 3D+ IN POWER
チェーン     :KMC X11SL
サイクルメーター     :GARMIN Edge820J
ウェア     :Champion system
アンダーウェア      :CRAFT
ヘルメット       :GIRO VANQUISH MIPS WF
シューズ          :GIRO Empire W ACC
ケミカル      :和光ケミカル
サプリメント        :グリコ パワープロダクション
日焼け止めローション  :Aggressive Design Top Athlete Sun Protect
クレンジングオイル   :Aggressive Design Waterproof Cleansing Oil
スキンケアクリーム   : Aggressive Design Top Athlete Skin Care Cream Urthr
リップクリーム      : Aggressive Design Top Athlete Lip Protect cream Hemere
サングラス        :Oakley Rader EV (オードビー様)

唐見 実世子レポート

【第1ステージ】
貴州省まで移動し、第1ステージ。1周約17キロの道幅の広いアップダウンのコースを8周くらい、135キロで争われた。当初反時計周りの予定だったが、そうなると長い下りのゴールとなり危険なため、時計周りとなった。そのため、2日連続して同じコースレイアウトとなった。
スタートしてすぐ、緩く2キロくらいの登りが続く。前半はKOMの登りでアタックがかかり集団が分裂する事もあるが、その後の区間でペースが緩み、大集団になる感じでレースが進む。2回目のスプリントポイントを超えて少しした辺りでセルベットの選手がアタック。このステージ唯一の逃げが決まり、彼女が山岳ポイントを獲得する。逃げを追う体制になった事もありペースが上がり、逃げが捕まった後も緊迫した状態が続く。
その後もKOMの登りで集団が一列棒状または分裂する事もあるが、しばらくすると大集団に落ち着く状態が続き、ゴール勝負へ。
中井選手を中心に梶原選手を集団の前に引き上げる努力をしたが、連携が上手くいかず、また、サイレンスの選手も素晴らしいスパートを見せて、梶原選手は4位となった。チームとしては、常に前々で展開する事ができ、危ない場面もなかったので、次のステージに希望が持てる1日だった。

【第2ステージ】
昨日に引き続き、全く同じコース、同じ距離を繰り返す第2ステージ。道幅が広く、コースが単調で常にアップダウンを繰り返すものの集団優位なコースでなかなか逃げが決まりづらいが、初日で足を削られているチームや選手もいて、よりチーム力が必要な日でもあった。日本チームとしては、逃げができた場合は必ず1人は乗せる、メンバーが良い場合はできれば梶原選手を含む3人を乗せる、スプリントポイント、ゴールスプリントを梶原選手で狙う、という事を確認してレーススタート。昨日とは異なり頻繁にアタックが起こり、特にリーダーチームは足を削られるような展開。日本チームも前で展開に乗るような動きに徹する。スプリントポイント前では梶原選手をスプリントしやすい場所まで引き上げるように動く選手もいて、梶原選手もそれに応えて先頭通過し、日本チームは全く後手を踏まない。リーダージャージ、日本2人ハイテック2人を含む強力なKOMで10人程度の逃げができるが、ハイテックのエースが乗っていない事もあり協調性がなく、しばらくして集団に吸収される。その後も何度も攻撃があったが、必ず誰かが対応するようにして、ゴールスプリントへ。梶原選手の力強いスプリントで、日本にステージ優勝をもたらした。

【第3ステージ】
中国に来てからは天気が安定せず、一日のうちに晴れと曇りと雨が交互に訪れる日もあるくらいだったが、この日の朝は曇り空。バスでスタート地点に移動して、10時にスタート。第3ステージのコースはほぼフラットでスタートして約9キロ走り、18キロの周回コースを6周してゴールを迎える117.3キロで争われた。
スタートして周回コースを半周くらいした頃には雨がポツポツと降り始め、やがて大粒の雨に変わる。この日ももちろん、梶原選手でスプリントポイントとゴール勝負を狙っていたが、スプリントポイント手前の鋭角コーナーの路面が滑りやすく、大本命の梶原選手を含む数人が落車してしまう。彼女は集団復帰するも、落車による機材トラブルのために、機材交換を余儀なくされる。この日のステージは前日の長い移動、また悪天候の中でフラットなコース設定である事などから、攻撃をよしとしないチームが多く、とてもスローな展開。雨が激しく、身体が冷えきってしまい、かじかんだ手でブレーキレバーを握るのが難しい。最終の180度ターンを回った辺りから徐々に位置どりが激しくなり始め、ゴールスプリントへ。最後はチームが機能しなかったが、梶原選手は単騎ながらも一番でゴールラインを通過した。

【第4ステージ】
先日のステージ後のバスで6時間かけての長い移動を経て、第4ステージ。約53キロの大きな周回を時計周りに2周するコース。コースプロフィールをみる限り登りがきつく、この日のステージ、または翌日のステージで勝負が決まるのではないかと予想しつつも、ここは中国、走ってみなければ誰もわからない。
11時にレースがスタート。コースがわからないこともあり、どこのチームも慎重に1周目の周回に入る。チームとしては、コースが厳しくて少人数になるようだったら出来るだけ梶原選手を含む3人を前の集団に乗せる、もし大集団のままゴールを迎えることになれば、そのままスプリントで勝負する、という事を確認。
この日も梶原選手キレの良いスプリントで、途中のスプリントポイントは1位通過。
登りが厳しいと予想されていたが、集団がバラバラに分裂してしまうようなキツい登りはなく、斜度が緩くだらだらとした長めの登り坂、緩い下り、平坦といったコースで道幅も広い。KOMの登りで集団が分裂する場面もあるが、基本的には大集団のまま1周目完了。
コースが厳しくない事がわかったからか、ベルギーのドルチーニを中心にアタックを開始する。日本チームは焦らないでアタックにチェックを入れつつ、後半勝負へ持ち込む。出来れば集団を小さくしてほしいというチームカーからの指示もあり、スプリントポイントを超えて少したったところで攻撃開始。
日本チームの波状攻撃が始まった。リーダーチームが焦り、足を削っていく。結局最後は大集団のままだったが、チームでまとまって展開できたのは、私の知るナショナルチームでは初めての経験だった。ゴール勝負は梶原選手がしっかりとまとめてくれてこの日のステージも日本チームのものになった。

【第5ステージ】
最終ステージは先日のコース の逆回り。コースは大体把握できたが、最後に攻撃をかけてくるチームがあるので、油断できない展開。日本としては、梶原選手のポイントリーダー、ステージ優勝、アジア団体総合の3つ、展開次第では私と金子選手の総合をあげるという事を確認しレースはスタート。雨が降って肌寒い。
スタートしてすぐ、イタリアのセルベットがアタック。今回体調を崩してしまい本調子でない上野選手が冷静にアタックに反応する。逃げはしばらくして捕まってしまうが、その後もアタックが頻発し、日本チームは必ず反応する。山岳賞手前の緩く長い登りの手前で逃げグループができ日本からは2人の選手を送り込み、リーダーチームを苦しめながら1周目完了。1回目のスプリントポイントを1着通過した事もあり、その時にはすでに梶原選手のポイントリーダーはほぼ手中にしていた。2周目に入ってからもアタックがあり、リーダーチームが苦しむ時間が続き、最後の勝負処の登りへ。集団が伸びて少し集団が小さくなった頃、後輪パンク。ニュートラルカーにホイール交換をしてもらうが、集団ははるか彼方に行ってしまう。チームカーにまだ追いつく可能性はあるからといわれ、チームメイトに助けてもらって前の車まで追いつき、その後も集団から溢れた数人に追いつき、チームカーの隊列まで追いつき、コミッセールカーの後ろまで行ったが、集団から溢れて単独になっている選手がパラパラといるために、集団復帰はならない事を悟り、ゴールまでの残りの数キロは千切れた選手達と走ってゴールした。
しかし集団に日本チームは3名残していたので、アジア団体総合、それに梶原選手は当たり前のようにステージを獲ってくれて、最終ステージの3つの目標は達成できた。
結果オーライだったが、個人的にはパンクに対する対処が遅れてしまい、反省点の残るステージだった。ただ今回のレースでトラブルの対処も分かったので、次回からは冷静に対応できると思う。
今回の中国遠征は移動が半端なかったが、経験豊富な日本のスタッフが献身的にサポートしてくださったり、長い移動時間をチームみんなで共有する事によりさらに結束が強まったように感じた。
今回の遠征で私の春の海外遠征は終わりしばらくの間は国内での活動に戻る事になりますが、海外で走れば走るほど、自分にとっての課題が浮き彫りになるので、それらに向き合いながら活動を続けていこうと思います。今回の遠征もたくさんのご支援をありがとうございました。

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